宮崎県都城市「太陽ファーム」

◎ 宮崎県都城市―太陽ファーム

 

☆ 2021年5月26日

太陽ファームが進める実証実験2年目は、4月末に“畑かんマイスター”が、灌水資材を軽トラックに積んで点在する6ヶ所の圃場に無線でつながる「スマート君」を配置して始まりました。

“畑かんマイスター”とは、畑地かんがい用水を活用した大規模畑作の産地化を進めるため、宮崎県が「水を利用して計画的に農作物を生産する人」と認定した人。太陽ファームのマイスターも動画で分かりやすく説明をされています。

秋の収穫時には、観測データや灌水実績などのデータの分析も行われる予定です。

☆ 2021年2月21日

2020年7月から圃場に気象・土壌観測センサーを設置し灌水の量を決めるデータをモニタリング、畑地灌漑用50mm口径の水源に灌水制御装置設置し、この2台の装置の組合せで灌水の遠隔自動制御をしてきました。

この実証プロジェクトの運用から、「露地野菜の営農計画に合わせて可搬型で移動できる、圃場での組み立てが不用で設置が容易、さらに小型で畝のなかに置ける大きさなど」が求められました。

このニーズを受け開発した「スマート君」は、太陽光発電で、AC電源がない圃場で使用でき、センサー、灌水制御装置、電磁弁を一体としたオール・イン・ワンの装置です。太陽ファームでは、昨年導入の太陽光発電装置、センサーなどを再利用して「スマート君」化を行いました。

残りのスマート君は、3月下旬から定植が始まる作物の圃場に配置される予定です。

独立行政法人農畜産業振興機構が発行する「野菜情報」2021年3月号では、加工・業務用野菜生産拡大の取り組みの特集で、山口大学大学院創成科学研究科 農学系学域種市豊准教授が、太陽ファームの取組みについて寄稿されています。

 

☆ 2020年7月11日


有限会社太陽ファーム(宮崎県都城市)は、自ら露地野菜を栽培するとともに、全国の契約農場から野菜を調達し、業務用野菜の原料や一次加工品として栽培・加工・配送までの一貫生産と周年供給をしている農業事業会社です。

圃場を取り巻く環境の変化や農業の担い手不足に対応し、機械化・自動化の一層の推進、安定したサプライチェーンの実現を目指して、農研機構が進める「スマート農業技術の開発・実証プロジェクト」に採択され、令和2年4月より2年間の実証プロジェクトが始まりました。

このプロジェクトの一部の『自動畑地かんがいシステム』にアグリスマートAIシステムが採用され、機器の設置が行われ、運用が始まりました。

宮崎県が整備した畑地かんがいの水路は、水道などで使われる直径25㎜のパイプよりも太い50㎜の直径の灌水パイプの水路です。この水路からの灌水パイプにリモートで開閉を制御する電磁弁をとり付け、クラウドに設定した時刻表あるいはスマホからの直接の開閉制御で灌水作業の省力化を図ります。

今後いくつかの圃場での運用を行い、観測データを分析するとともに、機器やシステムの改良点、効率化のノウハウなども検討し、農業をよりスマートにするシステムとしての効果を実証する予定です。