最新ニュース

◎ 2024年6月 農業AIの難問に挑戦

社会科見学の小学3年生に農業とAIを説明する

  • 八王子市の浅川小学校と愛宕小学校の3年生(両校わせて約160名)は、6月10日社会科見学で中西ファームを訪れました。多品種の野菜を栽培する広い畑で大型農機具をまじかに見たり、作物に触れる体験に続いて、ブドウハウスへ小学生の行列がやってきました。
  • 最初の問いかけ「みんなAIと言うという言葉知っている?」には、全員大きな声で「知ってる!」が返ってきました。「君たち」と「AIさん」との対比で説明を試みました。11台のカメラで30分おきに写真を1年間とったら、何枚の写真になるかと尋ねたら、「2X24X365X11を計算すればいいんだね」と言うことになり、計算は学校に帰ってからすることになりました。
  • 大人向けの用意しているAIの特徴説明「記憶より記録」を理解してもらおうと「AIさんは、それだけのたくさんの写真を覚えているけど、君たちは?」と尋ねると、一斉に声を揃えて「覚えていないーー」と。
  • 「電気がなくなったらAIはどうなるの?」、「AIは間違えるの?」などいくつも質問をして、学校へ帰っていきました。

◎ 2024年4月 農業で最新のAIを活用

人工知能(AI)を用いた生育コーチシステムの開発に着手

  • 弊社株式会社アグリスマートと株式会社山誠(東京都八王子市)中西ファーム(東京都八王子市)、のぞみ株式会社(東京都多摩市)および株式会社ビジネス工房(東京都渋谷区)(あいうえお順)の5社は、人工知能(AI)を用いた果樹栽培の生育コーチシステム、「生育コーチAI(仮称)」の実証実験(Proof of Concept)を開始しました。
  • このPoCでは、果樹などの栽培圃場の環境観測データ、営農データに加え、果樹の生育状況を学習したAIモデルから生育状況を判断し、栽培の鍵となる日付や結実管理に必要なことの予測や診断などのコーチ情報を提供することを目指しています。最初のターゲットの果樹はブドウです。
  • AIが可能性秘める農業用途は、収穫ロボット、スマートトラクター、サテライト画像解析や収量・価格の予測などが期待されていますが、栽培する作物の生育そのものを対象にすることは、作物の種類、圃場毎の違い、目まぐるしく変わる自然環境など多くの「変数」があり、実用にあたっての課題も指摘されています。
  • PoCのチームは、「人は形にして見せてもらうまで何が欲しいのかわからない。」というSteve Jobsの言葉に同感して、「やってみる」ことにしました。
  • アグリスマートは、圃場観測データに戻づく自動灌水と圃場データの分析が可能なアグリスマート自動灌水・農業インテリジェンスシステム(Automated Irrigation and Agricultural Intelligence System)を提供しています。このPoCは、このシステムに画像データの診断を行うArtificial Intelligenceを追加し、多様なデータを活用して営農者を支援することを目指しています。

◎ 2024年2月 新商品のお知らせ

圃場ネットワークに無線方式429MHz商品を追加

  • 圃場に置くゲートウェーと灌水制御装置などを繋ぐ圃場のネットワークに特定小電力無線(Specified low power radio)の429MHz商品を追加します。
  • 現用の無線方式LoRa920MHzは、障害物を回り込んで届く特性を持ち電波到達性が高いので、比較的平坦な圃場や、高低差があっても見通しがよい環境で使用されています。
  • 弊社の実証実験で、920MHzの電波が届かないようないくつもの起伏や大きな木立が多いゴルフ場の様な環境でも429MHzは電波が到達し、利用条件はありますが、より広範囲にカバーできることを確認しました。
  • 429MHzは周波数が低いので一度に通信できる情報量が少ない、通信速度を速くできないデメリットがありますが、IoTに最適な通信手順の開発や技術的工夫をして商品化しました。接続できる子機は、太陽発電かん水君2(電磁弁2CH)とAC型かん水君6(電磁弁最大6CH)です。

Wi-Fiで繋がる土壌センサーと灌水制御機能

  • 家庭やオフィスなどの観葉植物の土壌水分・温度・電池電圧のモニタリングで使用されているグリーンスマート・ソイルセンサーを農業向け土壌センサーとして販売します。
  • このセンサーは、Wi-Fi環境(2.4GHz)のある圃場や施設園芸(ハウス)で使用することができます。
  • 観測データは、グリーンスマートのクラウドサービスを経由してAgri Smartのクラウドに送られ、灌水タイミングを判断できます。

安価な流量計と渇水・漏水監視機能

  • 高精度の流量を計測する流量計に加え、安価で水の流れを監視するフローメータをサポートします。
  • 灌水指令を出した時水が出ているか(渇水)、灌水停止指令の後も水が流れているか(漏水)かをクラウドで判断して通知します。
  • このメータでは流量を計算できませんが、クラウドで推定流量を計算します。

◎ 2023年12月 2024年2月14日「スマート農業とアグリテックの動向」のセミナー講師を行います。

市場調査やハイテク関連の出版物の刊行、研究開発を支援している株式会社CMCリーサーチは、ハイテク農業分野を俯瞰し、国内外の最新動向を伝えたいと、弊社にセミナーの依頼がありました。(株)アグリスマートは、「最先端の情報通信技術ICTを農業や園芸に」を創業の精神に掲げて、データによる自動灌水システムの提供やデータを農業に活用する技術やビジネス探索をしています。

頂いたこの機会に、農業の現場や国内外の農業に係る方々から得たスマート農業ビジネスの知識・知見を整理して、お伝えしようと準備を始めています。

セミナーは、東京都千代田区のセミナー会場とライブ配信のウェビナー形式です。講師紹介割引を頂きましたので、ご関心いただけましたら、お問い合わせください

◎ 2023年10月 新型灌水制御装置発売開始、灌水記録データの充実などクラウドバージョンアップV7.1をリリース

インターネットに繋がる灌水制御装置の最新バージョン2種類の販売を開始します。出荷は2024年2月からです。

かん水君6:AC電源のある圃場で、電磁弁を最大6台まで接続できます。フローメータあるいは流量計を1台接続でき、漏水・渇水の監視ができます。

かん水君2:太陽光発電で電源のない圃場で、電磁弁を最大2台まで接続できます。フローメータあるいは流量計を1台接続でき、漏水・渇水の監視ができます。

クラウドシステムV7.1では、灌水個別記録、電磁弁チャネル単位、月単位、灌水実績の基本統計処理などを追加、より細かい灌水のデータ管理を行うことができるようになりました。

◎ 2023年4月:日本初上陸!組立式の円形巣箱をイスラエルから

イスラエルのスタートアップIVRY-Bが開発した養蜂箱の輸入を開始しました。販売は、1910年創業の伝統ある養蜂器具の専門会社熊谷養蜂株式会社からです。

この養蜂箱は、今日世界で唯一の円形の革新的なデザインで、180度の視野で安全に覗ける透明の覆いでカバーされて、観察も容易。シンプルで釘を一切使わず、自分で組み立てるキットです。

ミツバチは、「世界の食料の90%を占める100 種の作物のうち、70 種類以上がミツバチによって受粉されている。」と言われ、生態系にも人間にとっても重要な生き物です。IVRY-Bは、「Return Bees To Life 蜂たちを生き返らせよう」と蜂の生態を観察でき、自然で品質のよい蜂蜜を蜂から分けてもらう養蜂箱を開発しました。自然観察、教育、ガーデン、養蜂展示場などで役立ちます。

アグリスマートは、IVRY-Bと共同でIoTを活用した養蜂箱のモニタリングシステムの開発を行う予定です。

◎ 2023年3月:北海道芽室町でのタマネギ直播点滴灌水栽培の成果が公表されました。

2021年、北海道芽室町の久保ファームで行った大規模営農地での点滴栽培のレポートが、「農作業研究」で公開されました。(PDFは2023年10月以降DLできます。)

タマネギの栽培では、苗を育てる時間とコストを節約できる直播が一般的になってきましたが、課題もあります。まず、タマネギの発芽率がよくありません。 第二に直播は、苗の移植よりも雑草を抑えるのが難しく、更に雑草の除草剤も種をまいたタマネギにダメージを与えます。課題の克服にはタマネギの初期成長を促進することが重要です。

ドリップファーティゲーション、すなわち液肥を灌水する水に混ぜて灌水と同時に施肥することで直播種タマネギの初期成長が促進され、収穫量が増加することが確認されました。

2021年の十勝の大規模農場での栽培結果は、慣行栽培区の発芽率は75%であったのに対し、点滴灌漑区の発芽率は95%でした。ドリップファーティゲーションが初期生長を促進することも確認しました。 タマネギの収量は慣行栽培区に比べ1.8倍でした。同時に肥料も従来比16%減らすことができました。灌水量は、 ペンマン法を用い蒸発散量を推定し、灌水量を決定しました。

◎ 2023年2月:アグリスマート3番目の特許「灌水制御システム」が登録されました。

営農者が希望する栽培を行うことができる、灌水制御システムを提供するシステムとして灌水制御をするシステムを発明として特許登録することができました。

特許7220881号 発明の名称:灌水制御システム 登録日2023年(令和5年)2月3日。

◎ 2022年12月:九州農政局主催「令和4 年度加工・業務用国産野菜の生産拡大セミナー」

12月14日熊本市で開催の「令和4 年度加工・業務用国産野菜の生産拡大セミナー」に出展しました。

スライドショーでは、4つの圃場の事例を紹介。

◎ 2022年12月:アーバスキュラー菌根菌の接種実験を行います。

菌根とは、植物の根と根に生息する菌類の共生体のことで、その菌根菌の一つアーバスキュラー菌根菌をオリーブに接種すると、土壌からの養分吸収により、オリーブの生育促進、ストレス耐性改善の事例があります。

当社とOlive Wellness株式会社では、イスラエルのGroudwork社(日本販売元:島貿易株式会社)のアーバスキュラー菌根菌を使用して、日本のオリーブ栽培環境での実験を2023年1月から行います。

アーバスキュラー菌根菌の働きや有用性、スペイン、イスラエルなど海外の研究事例、日本のオリーブ栽培での実験などについ2022年12月17日(土)16:00~16:45開催のOlive Wellness株式会社主催のウェビナーで詳しくお話しします。

◎ 2022年10月:スマホで植物を見守る園芸クラウドサービス”グリーン・スマート”をリリース

YOLO株式会社(熊本県熊本市)と弊社は、スマホで植物を見守る園芸クラウドサービス”グリーン・スマートとそれにWi-Fiで繋がる土壌センサーを共同開発、サービスの提供を開始しました。

  • センサーはWi-Fiに繋がり、土壌の水分状態と温度をスマホで知ることができます。
  • 自分で設定した水分状態になると水やりタイミングをお知らせします。
  • グリーン日誌でクラウドに作業記録を作り、きめの細かい植物管理ができます。
  • 単4乾電池でデータ送信1回/日の時、約1年以上持ちます。
  • このクラウドサービスは、株式会社アグリスマートの特許(第7108953号)を利用して実現されています。

◎ 2022年9月:天気予報、病害虫発生予測、グループ情報共有など新機能をリリース

「アグリスマート自動灌水システム」のバージョン6.0がリリースされました。

  • 天気予報:従来のグルーバル予報から、新たに株式会社ウェザーニューズの「1km メッシュ天気予報」を採用し、圃場に近い予報をお伝えしています。短期予報は72時間、中期予報は前日と予報の10日間を含めた11日間です。米国の調査によると、効果的な天気予報は気候の不確実性と作物栽培への適応を改善すると言い、受け取った天気予報がより正確になるにつれて、意思決定においてより用心深くなると言われています。
  • 病害虫の発生予測:クラウドシステム上で常に予測プログラムが動いており、予測しているデータが定めた条件を満たすと警告を出す予測モデルです。モデルにリアルタイムに入ってくるデータで、単位時間毎(時あるいは日)に予測を行います。予測プログラムには、病害虫発生の確率予測や開花の予測などが順次搭載される予定です。
  • グループ機能:複数の営農者で営農情報を共有して参照することができるグループID機能、さらに営農指導的立場にある人が、該当する圃場の情報の詳細をダウンロードしてより詳しい分析を行うことができるコーチID機能を設けました。

◎ 2022年5月:「金沢スマート野菜産地実証コンソーシアム」に参画

農研機構が管理運営するスマート農業実証プロジェクト(スマート農業産地形成実証)の令和4年度採択プロジェクトの一つである「金沢スマート野菜産地実証コンソーシアム」(代表機関:川県農林総合研究センター)が発足しました。

コンソーシアムの実証圃場は、石川県金沢市の沿岸部に広がる砂丘地帯で、すいか、だいこん、さつまいも等が家族経営により作付け、全国の産地リレーの一端を担っている地域です。

アグリスマートは、圃場モニタリングのデータをフル活用した生産技術の確立をテーマに参画します。7月中旬以降順次スマート君を配置し、実証を開始する予定です。

◎ 2022年3月:e-Book「農業とデータ」を発行しました。

弊社は2021年12月アグリスマート自動灌水制御システムのバーションアップ(V5.0)を行い、「データの高度利用機能」をリリースしました。この機能では、観測したデータや営農記録のデータをもとにして、基本統計量のグラフや表による可視化、データの相関係数の計算、さらに、例えば与えた肥料の結果が他のデータにどのように影響しているかを見ることができるインパクト分析、異常分析、予測機能などを実装しています。

データによる制御が比較的容易な施設園芸ではデータの利用が進んでいるように見えますが、畑地栽培ではまだ始まったばかりです。データで一体何ができるのか、それが収量アップや営農の効率化にどのように役立つかについては懐疑的な声を聴く一方、関心のお問合せもいただいています。

この畑地栽培におけるデータの活用について、当社が見ている展望と課題をまとめ、電子書籍形式(e-Book)として発行いたしました。

e-Bookにも記述しましたが、データの活用には、営農されている現場、地元の状況に明るい地域の指導者や普及機関、そしてデータに係るシステムエンジニアやデータ分析専門家のチームアップが大事です。

PDFをダウンロードできます。お問合せからお申しこみください。

◎ 2022年1月:北海道芽室町の十勝大規模農場でのドリップファーティゲーションの成果報告を学会に投稿しました。

◎ 2021年12月:「イリゲーション101」は、かん水技術とシステムについての入門講座テキストです。全7章のスライドを「農賢機巧」のサイトのレポートにアップロードしました。

◎ 2021年11月:海外でも広がる点滴米栽培。畑で点滴で水をやってお米を作る」プロジェクト(株式会社サンホープ運営)の最新状況が上映中です

日本では茨城県、栃木県で陸稲の栽培が行われ、米菓の原料となっています。このお米プロジェクトでは、普段ご飯として食べる水稲の品種を点滴で栽培しようとしています。

リゾット用の高品質の米を栽培しているイタリアの農場では、温度を維持して雑草を寄せ付けない水田と、点滴パイプで灌水する畑で半分未満の量の水を根に供給して栽培する実験を始めています。「私たちは、水の使用量を増やしたり品質を下げたりせずに生産量を増やしたいと考えています」と農場主。

世界では米の需要は2050年までに25%増加すると予想されており、水田は気候変動への影響が大きいとも。

2022年はさらに改良した栽培実験を計画しており、アグリスマートでは、観測データの分析などを担当します。

◎ 2021年10月:Version 5.0 をリリースしました。2021年12月にはデータの高度利用をリリースします。

 2021年5月:宮崎県都城市太陽ファームでスマート農業実証実験 2年目がスタートしました。

 

☆ アグリスマート AI

「アグリスマート AI」(Agri Smart Automated Irrigation System)は、圃場の状態をリアルタイムで知り、作物に与える水と肥料を最適化することにより、植物の力を最大化し、同時に人の作業量を最小化することにより、農業の生産性を向上するインターネット時代の農業向けサービスです。

最適な潅水の量と時間を遠隔から自動制御

気候と土壌の観測データから、作物に最適な潅水量とタイミングを最新技術(アグリテック)のアルゴリズムで意思決定し、灌水装置を遠隔から自動制御します。

圃場の気象・土壌状態を最新IoTセンサーネットで観測

無線で繋がるセンサーで圃場の気象・土壌状況を24時間それぞれ自動観測し、そのデータをクラウドに蓄積します。圃場の状態は、スマホやパソコンに分かりやすく表示されます。

スマホを最大限に活用するモバイル営農 

スマホ、PCで営農記録の作成、蓄積、検索を行うことができ、営農活動を記録し、共有したり、分析することができます。

データに基づく営農

圃場データや作物情報を元に、データの統計、分析、診断を行うことができ、データを使い、よりよい営農計画をつくり、安定した作物生産、生産性の向上を図ります。